小松千倫、土井樹「Bee Wee」
タリオンギャラリーでは、小松千倫と土井樹による展覧会「Bee Wee」を開催いたします。
是非ともご覧下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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小松千倫は1992年生まれ、京都市立芸術大学大学院に在籍中であり、トラックメイカーMadeggとしても知られる。これまでにflau、Angoisseなど様々な国のレーベルよりアルバム、EPをリリースするが、その表現領域は音楽、映像、インスタレーションと多岐にわたる。原初的な経験的感覚やイメージを基点としながら、ジャンルによる規定性を迂回するように、街や自然、メディアや記憶の内外にある微細な現象や変化を重ね合わせることで、抽象的なイメージが固有のシーケンスへと転化していくかのような作品制作を行っている。
土井樹は1989年生まれ、東京大学大学院総合文化研究科に在籍し人工生命の研究を行うかたわら、十代の頃より電子音楽や現代音楽の制作を続けている。生命らしさを追究する「機械人間オルタ」の研究開発に携わるほか、数々のメディアアートや現代美術のプロジェクトにおいてプログラミングや設計、解析などを手がけている。
展示タイトルの「Bee Wee」は言語学者ノーム・チョムスキーの論文にあるジャバウォッキー文から着想を得た、意味があるようで無い造語である。ジャバウォッキーとは「不思議の国のアリス」に登場する、多数の無意味な単語を含みながら、構成は古典詩に完璧に一致しているナンセンス詩である。チョムスキーは現在のAI研究などを支える形式言語理論において重要な人物であるが、1955年に発表した論文の中で、文法的には正しいにもかかわらず意味論的にはナンセンスな文章を提示し、より体系的なモデルの必要性を示した。
本展では、「Bee Wee」のタイトルのもとに、人間の知性に備わる情報の排除の仕組みや、 イメージと記号の相克的関係などがテーマとして展開されます。
小松千倫 Kazumichi Komatsu
1992年高知県生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程絵画専攻構想設計在籍。京都府在住。
近年の主な個展に「FAKEBOOK」Workstation.(2016/東京)など。 近年の主なグループ展に「FLYING WUNDERKUMMER」TOBERU (2019/京都)、「ニューミューテーション#2「世界のうつし」展」京都芸術センター (2019/京都)、「TIPS」京都芸術センター (2018/京都)、「oF -Katsue Kitasono-」福岡アジア美術館 (2017/福岡)、「NUIT BLANCHE『見立てと想像力 ━ 千利休とマルセル・デュシャンへのオマージュ』展」元淳風小学校 (2017/京都)、「Symphony LDK」 KCUA(2017/京都)、「THE DREAM SCENE」Pulp (2016/大阪)など。
主なパフォーマンス・サウンドデザインに「横浜トリエンナーレ 2020 EPISODE 00「Présage(予兆)」イシャム・ベラダ」(2019/ライブパフォーマンス)、「悲哀斐会」Senggi Studio(2019、ソウル/ライブパフォーマンス)、「テオ・カシアーニ「LECTURE(02)」」京都芸術センター(2019、京都/サウンドデザイン)、金氏徹平 「White Discharge」ASIA NOW(2018、パリ/サウンドデザイン・音響担当)など。
土井樹 Itsuki Doi
1989年兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。学術博士。東京大学総合文化研究科広域科学専攻特任研究員。
社会性生物の群れの運動や人工システム内に創発する主観的時間などのテーマで研究をするとともに、アート/音楽作品の発表を行っている。
近年の主な作品に「Peeling Blue」(2018/CD)、「Blues」(2017/インスタレーション)、「Uonotayu」(2010/CD)など。また、CM、インスタレーション、展示のサウンド制作及びソフトウェアプログラミングも手がけており、主な近作には「八木夕菜: NOWHERE」ポーラミュージアムアネックス(2018、東京/音楽、サウンドプログラミング)、「機会人間オルタ」(音楽、サウンドプログラム/2018年度アルス・エレクトロニカ INTERACTIVE ART+部門 Award of Distinction受賞)、「Jens|PREVIEW 17SS」(2016/音楽)などがある。 http://cotofu.com
- 会 場
- タリオンギャラリー > HP
- 住 所
- 豊島区目白2-2-1 B1F
- 電 話
- 03-5927-9858
- OPEN
- 11:00-19:00 月火祝 休廊