大岩雄典「無闇」
大岩雄典はフィクションとインスタレーションをめぐる関心をもとに、空間がもたらす経験の諸相や、語りや寓意、レトリックによる主体のもつれなどをテーマとして、作品やテクスト、レクチャーなどの形で上演しています。2019年の《スローアクター》では、1階と2階からなる展示会場を順に進むことで「時間の巻き戻る」インスタレーションを発表し、2020年の《バカンス》ではコント漫才をモチーフに、豪華客船の一室を模した空間で「語りのうちに雑音が 聞こえる」インスタレーションを展開しました。
本展「無闇 | Blind」では、四角い展示室のなかで、耳元をかすめるように響く音声によって構成されるインスタレーションが展示されます。美術史家のマイケル・フリードは、『没入と演劇性』で絵画とそれを見る者の構造を焦点化するなかで、没入的な状況をあらわす類例のひと つとして、盲目(Blind)という主題を取り上げました。大岩は本展の作品において、無闇(闇がない)=盲目という事態について、四隅をモチーフとする怪談『スクエア』やサミュエル・ベケットの『クワッド』などを手がかりに、外部のない、誰もが盲目であらざるをえない展示空間として提示します。どうぞご期待ください。
大岩雄典 Euske Oiwa
1993年埼玉県生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程在籍。
主な個展に「バカンス」トーキョーアーツアンドスペース本郷 (「OPEN SITE 5」選出企画) (2020/東京)、「別れ話」北千住 BUoY(岸井大輔企画「形」招聘展示)(2020/東京)、「スローアクター」駒込倉庫 (企画構成:砂山太一) (2019/東京)、「Pleasure」トーキョーワンダーサイト渋谷(「TWS-Emerging 2015」選出企画) (2015/東京)など。主なグループ展に「一番良い考えが浮かぶとき」TALION GALLERY’(2020/東京)、「明るい水槽」BLOCK HOUSE(2018/東京)、「太陽光と... 」眺望ギャラリー「テラス計画」(2017/北海道)、「理想の収納」東京藝術大学(2017/東京)、「Surfin’」Surfin’(2017/東京)など。
- 会 場
- タリオンギャラリー > HP
- 住 所
- 豊島区目白2-2-1 B1F
- 電 話
- 03-5927-9858
- OPEN
- 11:00-19:00 月火祝休廊
新型コロナウイルスの感染予防の観点より、入場制限を行う場合がございます。