陰影のリビジョン

土井樹、宮坂直樹、宮下さゆり
21/07/10[土]-21/08/07[土]
@ タリオンギャラリー
企画運営:タリオンギャラリー   エキシビション

タリオンギャラリーでは、土井樹、宮坂直樹、宮下さゆりによる展覧会「陰影のリビジョン」を開催いたします。是非ともご覧下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
本展は、3名の作家が陰影をめぐる認識や美学について、それぞれの立脚点からリビジョン(改訂)を加えることを企図して展開されます。

土井樹は、人工生命や人工システム内に発生する主観的時間などについて研究を行いながら、 十代の頃より電子音楽や現代音楽の制作を続けています。生命らしさを追究する「機械人間オルタ」の研究開発に携わるほか、数々のメディアアートや現代美術のプロジェクトにおいてプログラミングや設計、解析などを手がけています。宮坂直樹は視線や視野、光学的画角による空間の構成や体性感覚的な性質について考察し、認識の方法によって様々に現れる空間の概念を研究しています。パノプティコンやモデュロールなどの機能主義的枠組みを用いて、他者の身体知覚を認識する方法へと再解釈する作品などを発表しています。細密な鉛筆の線を重ねて、紙のうえに絵画の生まれる条件を問いかける宮下さゆりは、光と影を一貫した主題として制作を行っています。空間とその中に描かれる像だけでなく、それを見る眼差しを自己言及的に描き出すことによって、絵画の向こう側とこちら側を指し示す作品で知られています。

陰影にまつわる美学は、西洋の文化と日本のくらしの美意識を対比しつつ記述した『陰翳礼讃』(谷崎潤一郎、1933年)など、評論や文芸においても度々著されてきました。本展では、陰影をアレゴリーや演色としてではなく、美的経験と知覚のあり方をかたどる機制として捉える態度を引き受けながら、3名の作家のそれぞれに異なるアプローチによって、作品展示として構成されます。陰影のリビジョンとは、陰影と呼びうる物体や空間に属さない連続性がどのように作品化されうるかという問いであると同時に、美術が物語を経由することなく、文芸との不可逆的な関係を切り結ぶ可能性への問いでもあります。どうぞご期待ください。

会 場
タリオンギャラリー   > HP
住 所
豊島区目白2-2-1 B1F
電 話
03-5927-9858
OPEN
11:00-19:00 月火祝休廊
新型コロナウイルス感染予防の観点より、入場制限を行う場合がございます。