仮のダリア

飯田Jennifer桃子、小左誠一郎
22/01/08[土]-22/02/06[日]
@ タリオンギャラリー
企画運営:タリオンギャラリー   エキシビション

飯田Jennifer桃子は油彩のレイヤーを平面上に流動・積層させる手法に取り組むペインターです。 寝かせたキャンバスの上から液体状の油絵具を注ぎ、主に勾配の変化などによって流動させながらイメージを固着させ、そのプロセスを何層も重ねていきます。流体としての絵具は、作家によって慎重にコントロールされながらも、その意図を離れて重力に従い、一度定着した絵具の色合いや形象も、有機体のように変化していきます。そこには、作家の何かを描こうとする意志に拮抗する、 偶然性を帯びた複層的な時間が存在しています。

小左誠一郎は、最小限の要素によって可感的に立ち現れる抽象絵画に取り組んでいます。垂直の画布と向き合い、間合いを窺うように筆を突き立て、その姿形の現れにまた呼応する。小左が試合と呼ぶ絵画の制作過程は、一回性のストロークの揺らぎや震え、またそこから発生する色やかたちが交差する痕跡として、矩形の外へと、鑑賞者の前へと残響します。近年では、UPO (undefined painting object = 未確認描画物体 ) と名付けるシリーズの制作や、〇△⬜︎といったモチーフの根源的な意味を探りながら相似的な構図を繰り返し描くシリーズの制作などを行っています。

本展「仮のダリア」は、地上における重力の存在を絵画にとっての普遍的問題として捉えます。絵画の物質的基盤について、とくに重力との密接で不可分な関係を焦点として検討することで、絵画にとってのオルタナティブな唯物論や、異なる重力下での絵画のあり方を想像する発端となることを企図して展開されます。どうぞご期待ください。

飯田Jennifer桃子 Momoko Jennifer Iida
1987年ニューヨーク生まれ。2012年多摩美術大学絵画学科油絵専攻卒業。
近年の主な個展に「アートフェア東京」 (2018/東京)、「OUTO」TALION GALLERY (2016/東京)、「refraction」LOOP HOLE (2016/東京)、「飯田Jennifer桃子」Open Studio (2014/東京) など。近年の主なグループ展に「Y-generation artists」銀座蔦屋書店 (2020/東京)、「アートデュッセルドルフ 2019」 (2019/デュッセルドルフ) 、「アジアナウ2018」 (2018/パリ) 、「レッドハウス」TALION GALLERY (2018/東京)、「アブラカダブラ絵画展」市原湖畔美術館 (2017/千葉) 、「アンルーリー」TALION GALLERY (2017/東京)など。

小左誠一郎 Seiichiro Osa
1985年静岡県生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。
近年の主な個展に「UPO」Yutaka Kikutake Gallery (2020/東京)、「谺せよ、UPO」Yutaka Kikutake Gallery (2018/東京)、「剣と家具」三ツ葉屋家具店 (2017/福岡)、「小左誠一郎 個展」gallary DEN (2017/東京) など。近年の主なグループ展に「鮭」AKIBA TAMABI 21 (2020/東京)、「AT PAPER.11 出版記念展示」VOU / 棒 (2020/京都) 、「めぐるりアート静岡 2019」静岡市美術館 (2019/静岡) 、「小川の水切り」RANZANSTUDIO (2019/埼玉)、「Primal Reverberation」Yutaka Kikutake Gallery (2017/東京) 、「Spring Fever」駒込倉庫 (2017/東京)など。

会 場
タリオンギャラリー   > HP
住 所
豊島区目白2-2-1 B1F
電 話
03-5927-9858
OPEN
11:00-19:00 月火祝休廊
*新型コロナウイルス感染予防の観点より、入場制限を行う場合がございます。